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MR4を、一年以上。 いまもデスクで使う理由。
INTRO · OWNER REVIEW · 1+ YEAR
まず、答えから。
人生で初めて選んだモニタースピーカー、EDIFIER MR4。1年以上使って残った実感を中心に、公式仕様と第三者の実測データを分けて整理します。
- 使用期間
- 1年以上
- 以前の環境
- Logicoolの低価格PCスピーカー
- 記事の根拠
- 実使用+公式仕様+第三者測定
BEFORE MR4
聞こえればいい。 そこから、 音を選ぶ。 そんなデスクへ。
MR4は、私にとって人生初のモニタースピーカーでした。
それまではLogicoolの低価格帯PCスピーカーを使い、音質へのこだわりは特になし。デスク環境づくりに熱中し、「見た目も音もこだわりたい」と考え始めた頃に出会ったのがMR4です。
当時はスピーカーに2万円近く出すことさえ高く感じました。けれど使い始めると、その印象は180度変化。音楽を流す行為そのものが、デスクで過ごす時間の一部になりました。
FIRST IMPRESSION初めて「スピーカーで音を聴く楽しさ」を感じさせてくれた一台。
01 · LONG-TERM VERDICT
一年以上使って、 最後に残った答え。
新鮮さが薄れたあとも残ったのは、音・操作・佇まいのバランスでした。
MR4は、スペックを競うためではなく、毎日のデスクに「いい音」を無理なく置くためのスピーカーです。
楽しく聴ける音
ずんずんと心地よく鳴る低域、声が埋もれにくい中域。仕事中のBGMから映画や配信まで、日常用途を広く受け止めます。
迷わない操作
前面ノブで音量・電源・モードを扱え、ヘッドホンも前から挿せます。毎日触れる部分が簡潔です。
空間を締める佇まい
マットブラックを基調にした無駄のない外観。PCスピーカーから替えたとき、音だけでなくデスクの印象も変わりました。
02 · LISTENING & MEASUREMENT
聴こえ方と、 音の傾向を確かめよう。
低音の量感、声の聴きやすさ、高音の癖。まずはデスクで使って感じたことを紹介します。その下の第三者測定では、どの音域が強く、どこから低音が弱くなるのかを確かめます。
LOW / BODY
低域は、楽しく前へ。
ずんずん響く心地よさがあり、EDMやポップスではベースラインを楽しく聴けました。ただし、独立測定では80Hzより下が早めに減衰します。私が感じた「楽しい低域」は、深い重低音まで伸びることと同じではありません。
MID / VOICE
声が、埋もれにくい。
ボーカルの明瞭さと楽器の分離感は、私の日常用途には十分。歌ものだけでなく、トークや配信でも声を追いやすい印象です。
HIGH / EDGE
高域には、少し癖も。
楽曲によっては、ややシャリつくように感じる場面がありました。背面ダイヤルで調整できるため、設置後に自分の耳で追い込む余地があります。
QUIET / NIGHT
小音量でも、ノイズが気になりにくい。
私の使用環境ではホワイトノイズをほとんど意識しませんでした。小さな音量で使う夜間も、違和感なく付き合えています。
聴き方の前提「ホワイトノイズをほとんど意識しない」「声を追いやすい」などは、筆者の環境と聴感に基づく表現です。個体差、接続機器、机や壁の反射、聴取距離で結果は変わります。
第三者の実測データで、 音の傾向を見る。
Audio Science ReviewがMonitorモード・背面トーン0dBで測定し、Spinoramaが公開しているOn Axisデータを、40Hz〜20kHzの相対音圧として再描画しています。
グラフの読み方を、 確かめよう。
細かなギザギザより、まず左から右へ続く大きな傾向を見ます。
- 横軸=音の高さ
- 左が低音、右が高音。対数目盛なので、100→1kHzと1k→10kHzが同じ幅です。
- 縦軸=相対レベル
- 0dBは無音でも絶対音量でもなく、この測定内の基準。下へ行くほど基準より弱く出ています。
- On Axisとは
- スピーカー正面の基準軸上で測った一本。まず本体の素性を見るための入口です。
ここから言える正面で、どの帯域が相対的に強い/弱いか。低域がどこから下がり始めるか。
これだけでは言えない部屋での最終的な鳴り方、最大音量、左右や上下へ外れた音、筆者所有機そのものの個体差。
全帯域を表示中。線の細部ではなく、広い範囲で続く山や谷を追います。
- 低域の目安
- 約68.8Hz-3dB
- さらに下の目安
- 約63.0Hz-6dB
- 300Hz〜5kHz
- 3.9dB偏差
「60Hz〜20kHz」は、 音の均一さを示す数値ではない。
メーカー公称の再生周波数帯域は、どの音域まで反応するかを見る入口です。実測では80Hzより下が急に下がるため、サブベースまで同じ強さで出るスピーカーではありません。
楽しく聴こえることと、 完全なフラットさは別です。
中低域の量感は楽しめる一方、800Hz付近と3〜4kHz付近には落ち込みがあります。背面のLow/Highノブは広い帯域を整える機能で、狭い凹凸を精密に補正するEQではありません。
部屋に置けば、 グラフどおりには鳴りません。
この測定はスピーカー単体の基礎性能を見るものです。実際のデスクでは壁との距離、机の反射、左右の配置で低域や定位が変わるため、設置後は耳の高さと距離を先に揃えます。
測定した個体は筆者所有機ではありません。2026年9月2日にSpinoramaのASR測定データから、40Hz〜20kHzに含まれる180のOn Axis実測点を読み取り、追加の平滑化をせずに再描画しました。原測定はAudio Science Review。別個体の検証としてErin’s Audio Cornerも参照しています。
03 · OPERATION & PLACEMENT
毎日触れる操作と、 置いてわかること。
長く使うほど効いてくるのは、音量を変える、ヘッドホンへ切り替える、置き場所を整える、といった小さな動作です。
買ってから、 鳴らすまで。
接続先に合わせて入口を一つ選び、最初だけ順序を守れば迷いません。
PCの3.5mm出力なら前面AUXへ。3.5mm→RCAケーブルなら背面RCAへ。
インターフェース→左右のTRS
バランス・ライン出力L/Rを、右スピーカー背面のTRS入力へ。
- 01
電源をつなぐ前に、音量ノブを最小へ。PCやインターフェース側の出力も下げておきます。
- 02
左のPASSIVEと右のACTIVEを付属ケーブルで接続。電源、入力、音量ノブがあるのはアンプ内蔵の右側です。
- 03
使う入力へ音源を接続。PCならAUX/RCA、オーディオインターフェースならTRSが基本です。
- 04
右側へ電源ケーブルをつなぎ、音源を再生。小さい音から、前面ノブをゆっくり上げます。
- 05
背面Low/Highは0dBから。左右の置き方をそろえたあと、必要な帯域だけ少しずつ調整します。
モードは、前面ノブと表示色で確認します。 電源を入れてノブでモードを切り替えると、Monitorは赤、Musicは緑に点灯します。押し方は、公式製品ページではダブルクリック、同ページの公開説明書では「押す」と記載が異なります。手元の製品に同梱された説明書の操作に従い、切り替わったことを色で確かめてください。長押しは電源のオン/オフです。
アンプは右側
右スピーカーがACTIVE、左がPASSIVE。電源・入力・前面ノブを右へ集約し、左右は付属スピーカーケーブルで結びます。
3系統は並行利用できる
TRS、RCA、AUXは同時に接続・再生できます。複数機器を鳴らすと音も重なるため、使わない側は停止またはミュートすると安全です。
挿すと、音はヘッドホンへ
前面端子へヘッドホンを挿すとスピーカー出力は止まり、前面ノブがヘッドホン音量を調整します。夜の切替を机上で完結できます。
±6dBは、広い帯域の補正
Lowは100Hz付近、Highは10kHzより上を最大±6dB調整するトーンコントロールです。狭い山谷を消す精密EQではなく、壁や机で増減した大きな傾向を整える機能です。
まず、 この形をつくる。
寸法の正解は部屋と机で変わります。固定のcmではなく、左右対称と正三角形を出発点にします。
放熱のため周囲は最低5cmを目安に空け、その先は背面と壁の距離を左右同じに。部屋に合わせて両方を同じ量ずつ動かします。
スタンド等で高さを調整し、左右の向きと内振り角も同じにします。
- 01左右と耳で、正三角形をつくる
スピーカー間と、各スピーカーから耳までの3辺を同じ距離から始めます。
- 02ツイーターを耳の高さへ
スタンド等で高さを合わせ、左右の向きと内振り角もそろえます。
- 03壁との距離を左右同じに
説明書の「周囲は最低5cm推奨」を目安に空間を確保し、低域を聴きながら両方を同じ量ずつ動かします。
- 04最後にLow/Highを微調整
0dBを基準に、部屋で生じる広い帯域の偏りだけを少しずつ整えます。
04 · MR4 OR MR5
MR4とMR5は、 上下ではなく、 選び分け。
MR5は高機能・大出力へ。MR4は小さく、簡潔に、有線で。最新モデルが出たからといって、MR4の役割まで消えたわけではありません。
日常のデスク用リスニングを、できるだけシンプルに整える選択。
MR4
4インチウーファー+1インチツイーターの2ウェイ。有線専用で、モニター/音楽モードを切り替えられます。
- 体験
- 筆者が1年以上、日常のデスクで使用
- 必要条件
- 有線TRS/RCA/AUXで足り、奥行きを抑えたい
- 割り切り
- Bluetooth、XLR、アプリEQは非対応
MR5
5インチウーファー+3.75インチミッド+1インチツイーターの3ウェイ。BluetoothとLDACにも対応します。
- 資料比較
- 公式製品情報と仕様を参照。筆者の実聴ではない
- 必要条件
- XLR、Bluetooth/LDAC、アプリEQ、設置補正
- 検討点
- 奥行き・重量・予算が増える。机上の採寸が先
公式仕様を、一枚で比較。
2026年9月2日にEDIFIER公式製品ページと取扱説明書で再確認しました。価格と在庫は変動するため、購入時は販売ページをご確認ください。
| 項目 | MR4 | MR5 |
|---|---|---|
| 方式 | 2ウェイのパワード型 パッシブ2次クロスオーバー | 3ウェイ/トライアンプ DSP・DRC・アクティブクロスオーバー |
| ユニット | 4インチウーファー 1インチシルクドーム | 5インチウーファー 3.75インチミッド 1インチシルクドーム |
| 周波数特性 | 60Hz–20kHz | 46Hz–40kHz |
| 定格出力 | 21W+21W RMS 合計42W | 合計110W RMS |
| 入出力 | TRS/RCA/AUX 前面ヘッドホン | XLR/TRS/RCA/AUX 前面ヘッドホン |
| ワイヤレス | なし(有線専用) | Bluetooth 6.0 LDAC/SBC |
| 音響調整 | 背面Low/High 各±6dB | ConneXアプリのカスタムEQ Low Cut-Off/Acoustic Space/Desktop Control |
| クロスオーバー | 2ウェイ(周波数非公表) | 155Hz/2.6kHz |
| 外形寸法 | 幅140×高228mm 奥行197.5mm(主)/184mm(副) | 幅159×高264mm 奥行280mm(主)/257mm(副) |
| 正味重量 | 4.5kg | 10.38kg |
| 価格 | 公式ページに価格表示なし 販売ページで確認 | 公式 ¥39,980 (2026年9月2日確認) |
| S/N比 | 85dB(A)以上 | 85dB(A)以上 |
XLRとTRSは、端子の形が違います。 どちらもバランス接続に使えるため、音源側がXLR出力でもMR4を候補から外す必要はありません。左右のバランス・ライン出力から、適切なXLR→TRSケーブルでMR4のL/R入力へ接続できます。端子の形だけでなく、出力がラインレベルであることとケーブルの結線も確認してください。バランス接続の解説(Focusrite)
スマホからBluetooth/LDACで直接再生したい
MR5MR4は有線専用。MR5はBluetooth 6.0、LDACと2台マルチポイントに対応
スピーカー側にもXLR入力端子が欲しい
MR5MR4のバランス入力はTRS。XLR端子をそのまま挿せるのはMR5です。
アプリEQや、Low Cut-Off/Acoustic Spaceで設置補正したい
MR5ConneXアプリと複数のルーム補正を公式搭載。MR4は背面Low/Highのみ
奥行200mm前後、総重量4.5kgの側へ収めたい
MR4MR5は奥行280/257mm、総重量10.38kg。先に机の奥行きと耐荷重を確認
予算を抑え、TRS/RCA/AUXで要件を満たせる
MR4MR5公式価格は確認時¥39,980。MR4の実売は変動するため、購入時の総額で比較
05 · A HIGHER REFERENCE
上を知って、 MR4の良さも、 見えた。
MR4をしばらく愛用したあと、さらに音を求めてGENELEC G ONEを導入しました。価格帯が大きく違うため、これは勝敗ではなく基準の比較です。
解像感と空気感には、 明確な差。
G ONEでは、弦楽器やピアノの響きに一段上のリアリティを感じました。特にクラシックでは、バイオリンの響きやホールの残響表現が印象的です。
一方、G ONEを知らなければMR4でも十分満足できた、というのも正直な実感。MR4の価値は最高到達点ではなく、価格以上に音を楽しめる入口にあります。
解像感、空気感、残響の表現
導入しやすさ、楽しさ、価格とのバランス
06 · FIT & FRICTION
向く人と、 見過ごせない、 弱点。
MR4は万能ではありません。弱点が自分の使い方に触れるかどうかで、満足度は大きく変わります。
MR4が向く人
- 01初めてモニタースピーカーを購入する
- 02Bluetooth不要で、有線接続が前提
- 03ポップス、ロック、EDMを楽しく聴きたい
- 04価格を抑えつつ、デスクの音を整えたい
- 05前面ノブとヘッドホン端子を日常的に使う
MR4を見送る理由
- 01Bluetooth/LDACを使いたい
- 02大音量と、より厚い低域を求める
- 03楽曲による高域のシャリ感が気になりやすい
- 04より広い帯域と入力端子の選択肢を優先したい
- 05左右にスピーカーを置く机上スペースがない
07 · BUYING DECISION
MR5登場後でも、 MR4は買いか。
私の答えは、条件が合えば今も「買い」です。
Bluetooth、入力端子、低域の余裕。
この三つを重視しますか?
MR4から考える
有線で安定してつなぎ、日常の音楽やBGMを気持ちよく。価格と机上サイズを抑えたい人へ。
MR5を検討する
Bluetooth/LDAC、XLR入力、大出力と低域の余裕まで一台に求める人へ。
MR4が教えてくれたのは、高価な機材でなければ音を楽しめない、ということではありません。聞こえれば十分だったデスクでも、スピーカーを替え、置き方を整えるだけで、音楽との距離は変わります。
有線での安定感、価格以上に感じた音、空間を引き締める外観。1年以上使った今も、その三つがMR4を勧める理由です。
有線・省スペース・日常のリスニング
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